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榊原康政のおすすめ本・Audible7選!初心者向けに読む順番も解説

【人物】さ行
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2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』を見て、徳川家康と豊臣秀吉が直接ぶつかった小牧・長久手の戦いへ興味を持った人もいるのではないでしょうか。
ドラマでは栗原類さんが榊原康政を演じ、2026年9月6日放送の第34回から徳川四天王の一人として登場しました。

榊原康政は1548年、三河国上野郷、現在の愛知県豊田市周辺に生まれた武将です。
徳川家康に若くして仕え、三河一向一揆で初陣を経験したのち、姉川の戦い、長篠の戦い、小牧・長久手の戦い、小田原攻めなどに参加し、のちに酒井忠次、本多忠勝、井伊直政とともに「徳川四天王」と称されるようになりました。

榊原康政というと、「徳川四天王の一人」「本多忠勝と並ぶ猛将」という説明が最初に出てきます。
もちろん戦場での働きは重要ですが、康政を武勇だけで覚えると、この人物のかなり大きな部分を見落としてしまいます。

上越市立歴史博物館は、康政について、家康の戦いで先陣を担った勇猛さだけでなく、上杉氏など他国の大名との取り次ぎ役も務めた、外交能力を備えた文武両道の武将として紹介しています。
1590年に館林10万石の大名となったあとには、城郭や城下町の整備、検地、治水などにも関わりました。

初心者がもう一つ注意したいのが、康政について語られる有名な逸話です。
小牧・長久手の戦いでは、羽柴秀吉を激しく批判する檄文を書き、それを読んだ秀吉が激怒して康政の首に褒賞をかけたという話が広く知られています。

一方、この檄文の文面は『藩翰譜』など江戸時代の史料に見えるもので、当時の原本がそのまま残っているわけではありません。
岡崎商工会議所などによる家康公検定の解説でも、江戸期の複数史料に現れる伝承として紹介されています。
初心者は「小牧・長久手で康政が徳川側の正当性を訴える人物として語られてきた」と理解し、細かな文言や秀吉の反応まで確定した史実として覚えないほうがよいでしょう。

これは榊原康政を学ぶうえで大切なポイントです。
後世の逸話が面白いからといって全部を否定する必要はありませんが、実際に残る史料と、江戸時代以降に形づくられた人物像を分けて考えると、歴史の見え方が深くなります。

榊原康政について知りたい人は、次のようなポイントを頭の中に入れておくと人物像を整理しやすくなります。

  • 1548年に三河国上野郷で生まれたこと
  • 若くして徳川家康に仕えたこと
  • 三河一向一揆で初陣を経験したこと
  • 家康から「康」の字を与えられたと伝わること
  • 姉川・長篠など家康の主要な戦いに参加したこと
  • 本多忠勝と並んで徳川軍の重要な武将となったこと
  • 小牧・長久手の戦いで大きな役割を果たしたこと
  • 後世に「徳川四天王」の一人と称されたこと
  • 武勇だけでなく、外交や交渉でも家康を支えたこと
  • 1590年に館林10万石の大名となったこと
  • 館林で城郭・城下町・治水などの整備を進めたこと
  • のちの二代将軍・徳川秀忠の補佐役となったこと
  • 関ヶ原の戦いでは秀忠軍に従い、上田を経て西上したこと
  • 1606年に館林で亡くなったこと

この中でも、初心者が特に意識したいのが「康政は家康の人生後半になると、自分が前線で戦うだけの武将ではなくなる」という変化です。
康政は家康と諸大名の取り次ぎも担い、1592年以降には秀忠を支える立場へ移っていきました。

若いころは自分が戦場で結果を出すことを求められ、大名となってからは領地を治め、さらに次の世代である秀忠を支える。
この変化を知ると、康政は「家康の横で槍を振るっていた人」だけではなく、徳川政権が次の世代へ移るところまで支えた人物として見えてきます。

関ヶ原の戦いでも、その立場がよく表れます。
1600年、康政は徳川秀忠の軍に従って中山道を西へ進みましたが、秀忠軍は信濃上田で真田昌幸と対峙し、関ヶ原本戦に間に合いませんでした。
その後、家康と秀忠の間を康政が取り持ったとする逸話も伝わっています。

私は、この場面に榊原康政の後半生らしさを感じます。
若いころの康政なら「自分が敵を破った」という武功が目立ちますが、50歳を超えた康政に求められたのは、若い後継者を支え、主君と後継者の関係まで考える役割でした。

年齢を重ねて歴史人物を読むと、自分自身が活躍する時期だけでなく、「次の人をどう支えるのか」という場面が気になります。
榊原康政は、家康を天下人へ押し上げただけでなく、秀忠の時代へ徳川家をつなぐところまで見ると、かなり印象が変わる武将です。

さらに大名としての康政を見るなら、館林時代は欠かせません。
館林市によると、康政は1590年に館林10万石へ入り、領内総検地や館林城の整備を行いました。館林城は低湿地や沼を利用した城で、康政は城下町を含めた近世館林の基礎づくりに関わっています。

戦国武将を読むと、どうしても「何回勝ったか」「誰を倒したか」に目が向きます。
一方、領地を任された後には、戦場とは違う仕事が始まります。
城を整え、土地を調べ、水害を防ぎ、人が暮らせる町をつくるところまで見ると、康政の人生を前半と後半で立体的に理解できます。

結論から言うと、榊原康政を初心者が学ぶなら、まず本人を主人公とする歴史小説や読みやすい徳川四天王の本で人生の流れをつかみ、そのあと徳川家臣団の仕組み、近年の研究、館林での大名経営へ広げていくのがおすすめです。

  • 榊原康政本人の生涯をじっくり読みたい人は、菊池道人『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』
  • 難しい本の前に徳川四天王をやさしく知りたい人は、『戦国武将物語 徳川四天王』
  • 地図や図解で徳川家臣団を整理したい人は、『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』
  • 四天王それぞれの役割を長編小説で読みたい人は、川村真二『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』
  • 「徳川四天王」「徳川十六将」の実像を新しい視点から知りたい人は、『徳川十六将 伝説と実態』
  • 一次史料を重視して康政の立場を見直したい人は、『家康伝説の謎』
  • 家康をめぐる通説を音声で見直したい人は、Audible『誤解だらけの徳川家康』

この記事では、榊原康政を初めて学ぶ人に向けて、「おすすめ本・Audible」「読む順番」「選び方」をまとめます。
「徳川四天王の一人」という肩書きだけではなく、家康との関係、同僚の本多忠勝や井伊直政との違い、小牧・長久手、館林での大名経営、秀忠を支えた晩年まで見ていきましょう。

 

榊原康政の本は、初心者なら「徳川四天王での役割」と「館林までの人生」で選ぶ

榊原康政の本を選ぶときは、最初に「読む目的」を決めると迷いにくくなります。
本人の長い人生を読みたいのか、本多忠勝や井伊直政との違いを知りたいのか、徳川家臣団全体の中での立場を整理したいのかによって、向いている本は変わります。

榊原康政について知りたい人の目的を、大きく7つに分けてみました。

目的向いている本・Audible選ぶ理由
①康政本人の生涯を一人の人物として読みたい『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』本人を主人公に若いころから晩年まで追える
②徳川四天王をやさしく整理したい『戦国武将物語 徳川四天王』ふりがな付きで四人の違いをつかみやすい
③地図や図解で家臣団を知りたい『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』家臣85人と徳川領国の変化をビジュアルで整理できる
④四天王を物語で比較したい『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』酒井忠次・本多忠勝・康政・井伊直政を一つの長編で読める
⑤四天王や十六将の実像を知りたい『徳川十六将 伝説と実態』後世の「徳川十六将」像と家臣団の実態を見直せる
⑥新しい研究から康政の立場を考えたい『家康伝説の謎』「徳川四天王の実像」の章で康政の登用や地位を確認できる
⑦家康の通説を音声で見直したいAudible『誤解だらけの徳川家康』康政が仕えた家康の時代を近年の研究から耳で学べる

初心者は、「本多忠勝は武勇」「井伊直政は赤備え」「榊原康政は知将」と一言ずつ分類したくなります。
最初の整理としては便利ですが、実際にはそれぞれが戦場、外交、領国経営など複数の役割を担っていました。

康政の場合は、特に若いころの戦場での活躍と、館林城主になってからの仕事をつなげて読むのがおすすめです。
そこまで見ると、「四天王の中では少し地味」という印象から、家康の組織が大きくなるたびに役割を変えた武将という見え方へ変わってきます。

 

榊原康政のおすすめ本・Audible7選を紹介

榊原康政の本は、歴史小説、児童向け歴史読み物、図解本、新書、研究書、Audibleなど、形式によって読みやすさが変わります。
初心者は、価格やページ数だけでなく、自分がどのくらい深く知りたいかで選ぶと失敗しにくいでしょう。

今回紹介する7作品を比較してみました。

本・Audible価格・ページ数など難易度向いている人購入先
①『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』

・880円〜
・546ページ
・Kindle版あり
普通康政本人の人生を長編小説で読みたい人
②『戦国武将物語 徳川四天王』

・1,001円
・240ページ
・Kindle版あり
やさしい四天王を最初にわかりやすく整理したい人
③『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』

・1,980円
・144ページ
やさしいから普通地図・図解で徳川家臣団を整理したい人
④『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』

・616円〜
・458ページ
・Kindle版あり
普通四天王の関係を長編小説で読みたい人
⑤『徳川十六将 伝説と実態』

・1,034円
・248ページ
・Kindle版あり
普通からやや詳しい家臣団の実像を新しい視点から知りたい人
⑥『家康伝説の謎』

・1,210円
・360ページ
やや詳しい近年の研究から四天王を見直したい人
⑦Audible『誤解だらけの徳川家康』

・再生時間11時間52分普通からやや詳しい家康と徳川家の通説を音声で見直したい人

 

まず榊原康政本人の人生を読むなら、『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』がおすすめです!

榊原康政を一人の人物として最初から最後まで追いたい人には、菊池道人『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』がおすすめです。
今回紹介する中で康政本人を主人公にした最も本格的な長編歴史小説です。

この本の一番大きな魅力は、「徳川四天王の一人」という肩書きから康政を切り離し、一人の主人公として長い人生を追えることです。
徳川家康に仕える若い時期から、徳川家が大きくなっていく過程まで、物語として読み進められます。

榊原康政は、本多忠勝や井伊直政と一緒に説明される機会が多いため、初心者は「四天王の三番目か四番目くらいの人」という覚え方になりがちです。
本人を主人公とする長編を読むと、康政自身にも家族があり、迷いがあり、家康との長い主従関係があったことを意識しやすくなります。

私はこの本を読むなら、合戦で何人倒したのかより「家康の成長に合わせて康政自身の仕事がどう変わったのか」を追いたいです。
小さな三河の松平家を支える若武者だった康政が、最後には10万石の大名となり、次の将軍となる秀忠まで支えます。

一方、本書は歴史小説です。
大樹寺での場面など、物語として構成された部分も多くあります。
すべてを史実として覚えるのではなく、人物へ興味を持つ入口として使い、そのあと『家康伝説の謎』や自治体・博物館の資料へ進む読み方がおすすめです。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
榊原康政本人を主役に読みたい人今回の本では最も康政本人へ集中しやすい
家康との長い主従関係を物語で読みたい人若いころから徳川家の成長を追える
読み応えのある歴史小説が好きな人紙版540ページの長編です

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
短い本から始めたい人540ページあるため読書量は多めです
史実だけを整理したい人歴史小説なので創作を含みます
最新研究を最優先したい人2001年刊なので新しい研究書も組み合わせたいです

「榊原康政という人物そのものを好きになれる一冊」を探しているなら、まず候補にしたい作品です。長さが気になる人は、次に紹介する『戦国武将物語 徳川四天王』から始めてもよいでしょう。

 

まずやさしく徳川四天王を整理するなら、『戦国武将物語 徳川四天王』がおすすめです!

長編小説へ進む前に、「そもそも榊原康政が徳川家の中でどんな位置にいたのか」を整理したい人には、小沢章友『戦国武将物語 徳川四天王』がおすすめです。

本書は、酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政の四人を、家康の人生と一緒に追う歴史読み物です。
「第三の四天王、榊原小平太」という章もあり、三方ヶ原、小牧・長久手、家康の関東移封、関ヶ原まで大きな流れを確認できます。

初心者にとって良いのは、四人を同時に読むことで「誰が誰だったのか」を整理しやすいところです。
本多忠勝も康政と同年代で、多くの戦いに参加しています。
さらに年下の井伊直政が途中から加わるため、四天王は最初から四人が同じ立場で並んでいたわけではないことも見えてきます。

私は、榊原康政を最初に学ぶ人ほど、一度は四天王を並べて読むとよいと思います。
康政だけを読んでいると何が特別なのかわかりにくくても、忠勝や直政と比べると、家康の側で長く働き、武勇と調整役の両方を求められた特徴が見えやすくなるからです。

児童向けの読み物なので、専門的な史料検討をする本ではありません。
「登場人物と時代の流れを覚える本」と割り切り、その後に新書や研究書へ進む使い方が向いています。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
歴史本に慣れていない人ふりがな付きで読みやすい
徳川四天王が混ざってしまう人四人を一つの物語の中で整理できる
長編小説の前に予習したい人240ページで大きな流れを確認できる

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
康政だけを詳しく読みたい人四天王と家康全体を描く本です
史料論まで知りたい人児童向けの歴史読み物です
館林での領国経営を深く知りたい人館林市や博物館資料も組み合わせたいです

難しい研究書へ進む前に、人と出来事の位置関係を作る本として使うと役割がはっきりします。

 

地図や図解で徳川家臣団を整理するなら、『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』がおすすめです!

文章だけでは三河・遠江・駿河・甲斐・信濃・関東といった領地の変化がわかりにくい人には、小和田泰経『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』がおすすめです。
徳川家康と有力家臣85人を地図や図解とともに紹介しています。

榊原康政を学ぶと、三河一向一揆、姉川、三方ヶ原、長篠、小牧・長久手、小田原、館林、上田と舞台が次々に変わります。
そのたびに徳川家の領地も大きくなっていくため、文章だけを読んでいると「康政がどこで何をしていたのか」が混ざりやすくなります。

この本なら、徳川家の領域が広がる過程と家臣団の変化を一緒に見られます。
家康が小さな三河の領主だったころと、五カ国を治める大名になったころ、関東へ移ったあとでは、同じ家臣でも求められる仕事が変わったことをイメージしやすいでしょう。

私が康政を学ぶときに大切だと思うのも、この「組織が大きくなったときに役割が変わる」という点です。
若いころに戦場で有能だった人が、そのまま同じ仕事だけを続けたわけではありません。
康政が館林城主や秀忠の補佐役へ進んだ理由を考えるうえでも、家臣団全体を見る意味があります。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
地名や領地の変化が苦手な人地図を見ながら徳川家の拡大を整理できる
多くの家臣を比較したい人四天王を含む有力家臣85人が紹介されている
文章ばかりの本が苦手な人図解やチャートを使って確認できる

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
康政だけを一冊丸ごと読みたい人徳川家康と家臣団全体の本です
長編小説を楽しみたい人図解中心の歴史ガイドです
史料の細かな検討まで読みたい人研究書へ進むほうが目的に合います

「四天王の名前はわかったけれど、徳川家臣団全体ではどうなっているのか」と感じたときに使いやすい一冊です。

 

四天王それぞれの生き方を長編小説で読むなら、『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』がおすすめです!

榊原康政本人だけではなく、酒井忠次、本多忠勝、井伊直政とどのように違ったのかを物語として読みたい人には、川村真二『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』がおすすめです。

本書では、四天王それぞれの働きと家康の天下取りを一つの長い物語として読めます。
康政だけの評伝ではないからこそ、「康政にしかできなかった役割は何だったのか」を比較しながら考えられます。

本多忠勝は康政と同じ1548年生まれで、二人は徳川家臣団の中で同時代を長く歩みました。
一方、酒井忠次は年長者として家康を早くから支え、井伊直政は後から大きく抜擢されています。
同じ「四天王」でも、家康との距離や登場する時期は同じではありません。

私はこうした集団を読むとき、「四人の中で誰が一番優秀だったのか」という順位を決めるより、家康が違う強みを持った人物をどのように使ったのかを見るほうが面白いと思います。
康政を知ることは、家康自身の人材の使い方を知ることにもつながります。

こちらも歴史小説なので、人物の会話や心情は作品として楽しむ必要があります。
四天王のイメージを作ったあと、近年の研究書で見直す読み方がおすすめです。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
徳川四天王を比較したい人四人を同じ長編の中で読める
家康との関係から康政を知りたい人家康の成長と家臣の働きを一緒に追える
読み応えのある歴史小説が好きな人458ページの長編です

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
康政本人だけに集中したい人四天王全体が主人公です
史実だけを整理したい人歴史小説として描かれています
短時間で概要を知りたい人458ページあり読書量は多めです

菊池道人『榊原康政』で本人を追ったあとに読むと、康政を徳川四天王の中へ戻して比較できる二冊目として使いやすいです。

 

「徳川四天王」「徳川十六将」の実像を知るなら、『徳川十六将 伝説と実態』がおすすめです!

歴史小説で徳川家臣団の人物像をつかんだあと、後世のイメージと実際の家臣団を分けて考えたい人には、菊地浩之『徳川十六将 伝説と実態』がおすすめです。

徳川家臣団には「四天王」だけでなく、「徳川十六将」という有名な呼び方もあります。
本書は、徳川十六将図がどのように作られ、誰がそこへ選ばれたのかを考えながら、家臣団そのものの歴史へ進んでいきます。

榊原康政を学ぶうえで面白いのは、「徳川四天王だから最初から家中の四大幹部だった」と単純には考えられないことです。
家康の領地が広がるにつれて組織の形は変わり、古くからの家臣、新しく登用された人物、武田氏の旧臣などが加わっていきました。

人の集団には、後からわかりやすい名前が付けられることがあります。
「徳川四天王」も初心者が人物を整理するにはとても便利ですが、その言葉が実際の時代の家臣団をそのまま表しているとは限りません。
本書を読むと、呼び名そのものを一度疑ってみる面白さがあります。

私は、歴史人物をある程度好きになったあとに、こうした本を一冊入れるのがおすすめです。
最初から全部を疑って読むと疲れますが、物語で人物を覚えたあとなら「自分が当たり前だと思っていた部分は、いつ作られたイメージなのか」と楽しみながら確認できます。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
徳川四天王の実像を考えたい人後世の呼び名と家臣団の歴史を分けて読める
徳川家臣団全体に興味がある人十六将を含めて組織の変化を確認できる
歴史小説から一歩進みたい人人物イメージを別の角度から見直せる

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
康政をまったく知らない人最初に人物の生涯を知るほうが理解しやすいです
康政だけを詳しく読みたい人徳川家臣団全体を取り上げる本です
長編物語へ感情移入したい人新書形式の歴史読み物です

「徳川四天王の一人」という説明を覚えたあと、その言葉の中身を考え直す段階で読みたい本です。

 

近年の研究から榊原康政を見直すなら、『家康伝説の謎』がおすすめです!

榊原康政について、歴史小説や有名な逸話からさらに一歩進みたい人には、渡邊大門編『家康伝説の謎』がおすすめです。
一次史料を重視しながら従来の家康像を見直しています。

この本を榊原康政の記事で紹介する最大の理由は、第一章が「徳川四天王の実像」だからです。
本多忠勝・榊原康政の登用、徳川氏の領国拡大、関東移封、関ヶ原、家臣の後継者まで、四天王を徳川家の組織変化の中で考えています。

初心者が康政を学ぶと、「13歳で家康に見いだされた」「秀吉を檄文で激怒させた」「関ヶ原後に秀忠をかばった」といった印象的な話がたくさん出てきます。
こうした話は人物へ興味を持つ入口として面白い一方、それぞれ根拠となる史料の年代や性格は同じではありません。

この本のような研究寄りの本を読むと、「その話はいつの史料に出てくるのか」「徳川家全体の中では康政はどう位置づけられるのか」という見方ができるようになります。
英雄の逸話を一つずつ覚える段階から、歴史そのものを調べる段階へ進める本です。

私は、ここまで読んで初めて康政の「知勇兼備」という言葉にも具体的な意味が出てくると思います。
戦に強かった、頭が良かったという抽象的な褒め言葉ではなく、徳川家が拡大する中でどの仕事を任され、どの段階で立場が変わったのかを見るほうが人物を理解しやすいからです。

この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。

この本が向いている人理由
近年の研究から康政を見直したい人四天王の実像を研究成果から読める
有名な逸話の根拠が気になる人一次史料を重視した歴史研究へ進める
徳川家の組織変化を知りたい人康政の登用から関東移封まで広く確認できる

 

逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。

この本が向いていない人理由
康政を初めて学ぶ人先に人物と時代の流れを知るほうが読みやすいです
康政の伝記だけを探している人家康と徳川氏全体を検証する本です
歴史小説を楽しみたい人史料と研究を重視した内容です

康政を好きになったあと、「今まで読んできた人物像を一度整理したい」と感じたときに進みたい一冊です。

 

通勤・家事のスキマ時間に家康の実像を学ぶなら、Audible『誤解だらけの徳川家康』がおすすめです!

今回の調査では、榊原康政本人を一冊丸ごと取り上げた初心者向けAudible作品は確認できませんでした。
そのため関連Audibleとして紹介したいのが、渡邊大門『誤解だらけの徳川家康』です。

「家康は寡黙な苦労人だった」「神君伊賀越え」「小山評定」など、広く知られる家康像を近年の研究から検討しています。

康政本人のAudibleではないため、最初の教材にはしません。
紙の本で康政を知ったあとに聴くと、「自分が知っている家康像はどこまで史実なのか」という問題へ進めます。

これは康政を考えるうえでも意味があります。
家臣の人物像は、主君の物語と一緒に作られることが多いからです。
「神君家康を支えた忠臣」という完成された物語だけを見るのではなく、家康自身の人物像が後世どのように作られたのかを知れば、康政について残る逸話も一度立ち止まって考えられます。

通勤中にこうした研究系の本を最初から紙で読むのは大変でも、Audibleなら少しずつ進められます。
気になる部分が出てきたら、家に帰って紙の本や自治体資料を調べる使い方もおすすめです。

このAudibleが向いている人を、簡単にまとめてみました。

このAudibleが向いている人理由
通勤・家事のスキマ時間に歴史を学びたい人約12時間の新書を耳から聴ける
家康の有名な逸話を見直したい人近年の研究をもとに通説を検討している
康政の本を読んだあとに史料へ進みたい人徳川側の物語そのものを考え直すきっかけになる

 

逆に、このAudibleが向いていない人を簡単にまとめてみました。

このAudibleが向いていない人理由
榊原康政本人だけを聴きたい人中心人物は徳川家康です
最初に康政の生涯を知りたい人先に本人を紹介する紙の本が向いています
歴史小説を聴きたい人研究・歴史解説寄りのAudibleです

康政を学ぶ中心教材ではなく、「徳川家の物語をそのまま信じずに見直す」ための関連Audibleとして使うと役割がはっきりします。

 

初心者におすすめの読む順番はこれ!

榊原康政を初めて学ぶなら、最初から江戸時代の史料や徳川家臣団の制度へ進むより、まず康政と家康の人生を大きくつかむのがおすすめです。
そのあと四天王を比較し、徳川家臣団全体、新しい研究へ進むと、人物像を無理なく深められます。

順番本・Audible目的
①『戦国武将物語 徳川四天王』四天王と家康の基本関係をやさしく整理する
②『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』康政本人の人生を物語として追う
③『チャートと地図でわかる 徳川家康と最強家臣団』地図と家臣団の変化を整理する
④『徳川四天王 家康に天下を取らせた男たち』忠勝・忠次・直政との違いを物語で確認する
⑤『徳川十六将 伝説と実態』後世の家臣団イメージと実態を考える
⑥『家康伝説の謎』近年の研究から四天王と康政を見直す
⑦Audible『誤解だらけの徳川家康』通説の見直しを耳から補う

最初の二冊では、「榊原康政は誰と、どの時代を生きた人物なのか」をつかみます。
そのあと地図と家臣団の本を入れることで、本人だけを追っていた視点を徳川家全体へ広げます。

後半では、歴史小説でできた人物像を『徳川十六将 伝説と実態』『家康伝説の謎』で見直します。
ここまで進めば、「康政は知勇兼備だった」という一言を覚えるだけでなく、どんな組織の中で、いつ、どの役割を求められた人物なのかを考えられるようになるでしょう。

Audibleは7番目まで待つ必要はありません。
通勤・家事のスキマ時間に『誤解だらけの徳川家康』を聴き、家では康政本人の本を読むという組み合わせでも学びやすいです。

 

「紙の本」「Kindle」「Audible」はどれを選べばよいか…?

榊原康政を学ぶ方法は、紙の本だけではありません。
Kindle(電子書籍)やAudibleを組み合わせれば、540ページの長編小説から研究書まで、自分の生活に合わせて読み進められます。

形式向いている人使い方
紙の本人物関係や地図へ戻りながら読みたい人四天王・合戦・領地を確認しながら読む
Kindle(電子書籍)長編小説や新書を持ち歩きたい人通勤中に康政や四天王の本を少しずつ読む
Audible読む時間が少ない人家康の通説や研究を耳から補う

榊原康政の場合、最初に紙の本を一冊持っておくと便利です。
酒井忠次、本多忠勝、井伊直政に加えて、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など多くの人物が登場し、合戦の舞台も三河から近江、遠江、尾張、関東、信濃へ移るため、前のページへ戻りながら確認したくなるからです。

一方、菊池道人『榊原康政』のような長編小説は電子版もあります。
紙の文庫を毎日持ち歩きたくない人なら、Kindleで少しずつ読む方法も使いやすいでしょう。

Audibleは、康政本人の専用作品が少ないことを補う媒体として考えたいです。
本人の人生は紙やKindleで読み、家康や徳川政権の背景は音声で補うように役割を分ければ、同じ内容を繰り返すだけになりません。

 

大河ドラマ『豊臣兄弟!』『どうする家康』・館林城跡とあわせて榊原康政を学ぶ価値とは

榊原康政は、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』をきっかけに学ぶのにも合う人物です。
2026年9月には徳川四天王がそろって登場し、栗原類さん演じる康政は、秀吉と家康が対立する小牧・長久手の時期を考えるうえで重要な人物となっています。

また、2023年の大河ドラマ『どうする家康』では杉野遥亮さんが康政を演じました。
こちらは家康側から長い時代を描いているため、『豊臣兄弟!』で豊臣側から小牧・長久手を見たあとに振り返ると、同じ戦いが立場によってまったく違って見えます。

大河ドラマを見たあとに訪れたい場所として、まず挙げたいのが群馬県館林市の館林城跡です。
1590年に家康が関東へ移ると、康政は館林10万石を与えられ、近世館林の最初の城主となりました。
館林市によると、康政は城の整備だけでなく、城下町や領内の整備も進めています。

館林城は、周囲の沼や低湿地を利用した平城です。
本で康政の合戦を読んだあとに館林へ行くなら、「徳川四天王の城」というだけではなく、戦国武将だった康政が大名となってどのような町を作ろうとしたのかを意識して歩くと面白いでしょう。

館林市内の善導寺には榊原康政の墓があり、館林市の指定文化財となっています。
墓域には康政だけでなく、榊原家の後継者たちの墓も並んでいます。

本人の武具を見たい人には、東京国立博物館も重要です。
東京国立博物館には、榊原康政所用の「黒糸威二枚胴具足」や、家康から拝領したとされる「紺糸威南蛮胴具足」が伝わっています。
いずれも国の重要文化財です。

康政の肖像画には、背後に日輪と「無」の文字を描いた旗も見えます。
東京国立博物館に伝わる肖像や甲冑を見ると、本の中で「徳川四天王」とまとめられていた人物が、実際に武具を身につけて生きた一人の武将だったことを感じやすくなります。

さらに榊原家のその後まで興味が広がった人は、上越市立歴史博物館にも注目したいです。
榊原家は康政のあと各地を転封し、18世紀には高田藩主となりました。
上越市には榊原家の史料が伝わっており、康政から明治期まで約300年に及ぶ家の歴史を研究しています。

私は、ここまで見ると「家康の家臣」という言葉の意味が変わると思います。
康政本人が家康へ仕えただけではなく、康政が作った大名家が、その後何世代にもわたって徳川幕府の中で続きました。
一人の武将の働きが、自分の死後の家にどうつながったのかまで見ると、歴史人物を長い時間で考えられます。

 

榊原康政の本選びで迷ったら、まずこの1冊!

榊原康政の本選びで迷ったら、最初にどれだけ長い本を読めるかで決めるとよいでしょう。
本人を主役にしっかり読みたいなら、菊池道人『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』がおすすめです。

540ページあるため、短い本から始めたい人には少し負担があります。
その場合は『戦国武将物語 徳川四天王』で家康・忠勝・忠次・直政との関係を先に整理し、そのあと菊池道人『榊原康政』へ進めば、長編でも人物関係に迷いにくくなります。

私なら、最初は物語の中で康政を一人の人間として知ります。
そのあと『家康伝説の謎』を読み、「最初に読んだ人物像のうち、史料からどこまで確認できるのか」を見直します。

この二段階を踏むと、歴史小説を否定せずに楽しみながら、後世の逸話と研究上の人物像を分けられます。
榊原康政は、専著が非常に多い武将ではないからこそ、一冊を繰り返し読むより、役割の違う本を組み合わせるほうが理解を深めやすい人物です。

 

【まとめ】榊原康政を初心者が学ぶなら、「徳川四天王」の肩書きの先まで読みましょう!

榊原康政を初心者が学ぶなら、最初は「徳川四天王の一人」と覚えて問題ありません。
一方、そこから本を一冊、二冊と読み進めるなら、四天王という肩書きの中から康政本人を取り出して考えるのがおすすめです。

若い康政は、三河一向一揆で初陣し、姉川、長篠、小牧・長久手など多くの戦いを経験しました。
本多忠勝と並ぶ武将として、家康がまだ全国の大名の一人にすぎなかった時期から徳川家を支えています。

この時期だけを見ると、康政は「勇敢な忠臣」です。
しかし徳川家が大きくなるにつれ、康政の仕事も変わります。
他国との取り次ぎを任され、館林10万石を治める大名となり、やがて秀忠を補佐する立場へ進みました。

私は、ここに榊原康政を読む面白さがあると思います。

若いころに評価された能力だけで、一生を終えた人ではありません。
自分で戦う時期があり、人をまとめる時期があり、領地を治める時期があり、次の世代を支える時期があります。

年齢を重ねると、「自分が前に出て結果を残すこと」と「次の人が結果を残せるよう支えること」は、かなり違う仕事だと感じます。
康政が秀忠を支えた晩年を見ると、戦場で有名になった武将が、その後どのように役割を変えたのかを考えさせられます。

関ヶ原の戦いで秀忠軍が遅れた場面も、単なる失敗談として見る必要はありません。
家康の後継者となる秀忠が大きな失敗をしたとき、家臣は自分の立場だけを守るのか、それとも次の主君を支えるのか。
康政に関する後世の逸話には、そんな「二代目を支える家臣」という人物像も残っています。

一方、小牧・長久手の檄文など、有名だからこそ慎重に読みたい話もあります。
「秀吉を怒らせた康政」という物語は確かに面白いですが、史料がいつ作られたのかまで意識すると、単なる武勇伝とは違う歴史の読み方ができます。

本を読むときは、最初からすべての逸話を疑う必要はありません。
まず面白いと思うところから人物へ興味を持ち、そのあと「本当にそうだったのだろうか」と調べていけばよいと思います。

榊原康政は、その読み方に合う人物です。

武勇の話から始まり、徳川家臣団の組織、豊臣秀吉との対立、家康の関東移封、館林の町づくり、秀忠への世代交代へと興味を広げられます。
さらに榊原家の子孫を追えば、康政が築いた大名家が高田藩まで続いた歴史にもつながります。

また、実際に残る甲冑や肖像画を見ることで、人物への距離感も変わります。
東京国立博物館に伝わる康政の具足や、館林に残る墓・城跡を見ると、「徳川四天王」という教科書的な言葉が、実在した一人の武将の人生だったことを感じられるでしょう。

榊原康政の本を読むことは、一人の忠臣を知るだけではありません。
本多忠勝、酒井忠次、井伊直政、徳川家康、豊臣秀吉、徳川秀忠などとの関係を通して、戦国の小さな三河武士団が全国政権へ成長していく過程を見ることができます。

まずやさしく全体像をつかみたいなら『戦国武将物語 徳川四天王』、本人をじっくり読みたいなら菊池道人『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』がおすすめです。
そのあと『徳川十六将 伝説と実態』や『家康伝説の謎』へ進めば、後世の人物像と史料から見える康政を比べられます。

読む時間が少ない日は、Audible『誤解だらけの徳川家康』で徳川家をめぐる通説を耳から見直す方法もあります。
自分に合う一冊から、「徳川四天王の榊原康政」という肩書きの先にいる一人の武将を追ってみてください。

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