武田信玄を支えた「武田四名臣」の一人で、上杉謙信と向き合う北信濃の最前線を任された高坂昌信。
川中島の戦い、海津城、「逃げ弾正」という異名、『甲陽軍鑑』との関係などをきっかけに、高坂昌信を本で学びたい人も多いのではないでしょうか。
高坂昌信は、大永7年(1527年)に生まれ、天正6年(1578年)に亡くなった武田家臣です。
現在は春日虎綱の名でも知られ、甲府市では、石和の大百姓の出身から信玄の側近となり、使い番から出世して北信濃の海津城代を任された人物として紹介されています。
長野市の「川中島の戦い」公式サイトでも、高坂弾正忠昌信、春日虎綱、春日源五郎など複数の呼び名が紹介されています。
一般には「高坂昌信」の名前が広く知られていますが、本によって「高坂弾正」「春日虎綱」と表記されるため、初心者は同じ人物だと頭の中に入れておくと迷いにくいでしょう。
高坂昌信の大きな特徴は、信玄のそばで働くだけでなく、北信濃という重要地域を長期間任されたことです。
海津城を拠点に上杉方と向き合い、川中島の戦いが終わったあとも北信濃の統治を担いました。
そのため、高坂昌信を「信玄の軍師」「川中島で活躍した武将」という一言だけで理解すると、人物像の一部しか見えません。
戦場で軍を動かす力に加え、敵国と接する地域を守り、家臣や住民をまとめ、情報を集め続ける役割まで見る必要があります。
長野市では、高坂昌信を冷静で慎重な武将として紹介し、無理な戦いを避ける姿勢から「逃げ弾正」と呼ばれたとしています。
この異名は「戦場から逃げる弱い武将」という意味で読むのではなく、損害を抑えて軍を残す判断が評価された人物像と結びつけて考えるとわかりやすいでしょう。
さらに、高坂昌信を学ぶうえで避けて通れないのが『甲陽軍鑑』です。
国書データベースでは、『甲陽軍鑑』の著者として高坂昌信、書き継いだ人物として春日惣次郎、補訂に関係した人物として小幡景憲が登録されています。
現在読める『甲陽軍鑑』は、高坂昌信一人が完成させた本として単純に考えるのではなく、成立や伝来の過程も意識して読む必要があります。
また、昌信の人生は武田信玄の死で終わりません。
信玄の後継者となった武田勝頼にも仕え、晩年の昌信が上杉景勝と勝頼の同盟実現に力を注ぎ、その交渉中に病に倒れました。
高坂昌信について知りたい人は、次の点を最初に整理しておくと人物関係や時代の流れを理解しやすくなります。
- 春日虎綱、高坂弾正、高坂昌信など複数の呼び名がある
- 大百姓の家から信玄の側近へ出世したとされる
- 小諸城代を経て海津城代を務めた
- 北信濃で上杉勢と向き合う重要な役割を担った
- 川中島の戦いと深く関わった
- 慎重な用兵から「逃げ弾正」と呼ばれたとされる
- 合戦だけでなく北信濃の統治にも関わった
- 武田信玄だけでなく武田勝頼にも仕えた
- 晩年は上杉景勝と勝頼の関係改善にも関わった
- 『甲陽軍鑑』の成立と深く結びつく人物である
高坂昌信を初心者が学ぶときに難しいのは、本人について確実にわかる史実と、『甲陽軍鑑』などを通して広まった人物像が重なっていることです。
信玄との関係や川中島での活躍にはよく知られた逸話がありますが、本を読むときは「史料で確認できること」と「後世まで伝わった物語」を分けて考えると理解が深まります。
結論から言うと、高坂昌信を初心者が学ぶなら、まず本人を主人公にした歴史小説で生涯の流れをつかみ、次に武田家臣団、川中島、『甲陽軍鑑』、勝頼期へ進むのがおすすめです。
- 高坂昌信本人の生涯を物語で読みたい人は、近衛龍春『高坂弾正』
- 昌信と深く結びつく『甲陽軍鑑』を実際に読みたい人は、佐藤正英『甲陽軍鑑』
- 武田家臣団の中で昌信の役割を知りたい人は、武光誠『武田二十四将』
- 海津城と川中島での役割を物語から理解したい人は、矢野隆『戦百景 川中島の戦い』
- 信玄死後の勝頼期と昌信の晩年を深く知りたい人は、平山優『武田氏滅亡』
- 『甲陽軍鑑』を史料としてどう読むか考えたい人は、『「甲陽軍鑑」の悲劇』
- 信玄・謙信など同時代の武将を音声で楽しみたい人は、Audible『戦国武将伝 東日本編』
この記事では、高坂昌信を初めて学ぶ人に向けて、おすすめ本・Audible7作品を紹介します。
初心者向けの読む順番、「紙の本」「Kindle」「Audible」の使い分け、大河ドラマや海津城・川中島古戦場・明徳寺とあわせて学ぶ面白さまでまとめました。
高坂昌信の本は、初心者なら「海津城代」と「武田家の中での役割」で選ぶ
高坂昌信の本を選ぶときは、最初に「読む目的」を決めると迷いにくくなります。
昌信本人の生涯を知りたいのか、川中島を知りたいのか、『甲陽軍鑑』を読みたいのか、信玄死後の勝頼との関係まで知りたいのかによって、向いている本は変わります。
高坂昌信について知りたい人の目的を、大きく7つに分けてみました。
| 目的 | 向いている本・Audible | この作品を選ぶ意味 |
|---|---|---|
| ①昌信本人の生涯を知りたい | 『高坂弾正』 | 昌信を主人公にした長編小説で人生の流れを追える |
| ②昌信と『甲陽軍鑑』の関係を知りたい | 『甲陽軍鑑』 | 昌信と深く結びつく軍記・兵書の内容を現代語訳付きで読める |
| ③武田家臣団の中で昌信を見たい | 『武田二十四将』 | 山県昌景や馬場信春などと比べながら役割を整理できる |
| ④川中島と海津城を知りたい | 『戦百景 川中島の戦い』 | 北信濃の戦いを物語の流れから理解できる |
| ⑤勝頼期の昌信を深く知りたい | 『武田氏滅亡』 | 長篠後から御館の乱までの武田家を史料から詳しく読める |
| ⑥『甲陽軍鑑』を研究史から考えたい | 『「甲陽軍鑑」の悲劇』 | 軍記を史料としてどう評価するか考えるきっかけになる |
| ⑦信玄・謙信の時代を音声で楽しみたい | Audible『戦国武将伝 東日本編』 | 信玄や謙信を別々の物語から聴き、昌信の時代背景を補える |
高坂昌信の本は、歴史小説、武将解説、軍記、研究書、Audibleなど、形式によって読みやすさが変わります。
初心者は、価格やページ数だけでなく、自分がどのくらい深く知りたいかで選ぶと失敗しにくいでしょう。
昌信について最初から『甲陽軍鑑』だけを読むと、信玄、勝頼、山本勘助、馬場信春、山県昌景など多くの人物や逸話が登場するため、本人の人生を追いにくくなる可能性があります。
まず「甲斐で信玄に仕える」「北信濃を任される」「信玄死後も勝頼に仕える」という大きな流れを知ってから読むほうが、昌信に関係する部分を見つけやすくなります。
また、高坂昌信を学ぶなら、海津城代という役割にも注目したいところです。
大名のすぐそばで助言する家臣とは違い、昌信は上杉勢と接する遠方の重要拠点を任されました。
主君から離れた場所で判断を任される立場だったことを意識すると、信玄から受けた信頼の意味も考えやすくなります。
高坂昌信のおすすめ本・Audible7選を紹介
ここからは、高坂昌信を初めて学ぶ人におすすめしたい本・Audible7作品を紹介します。
昌信本人の物語だけを複数並べず、人物、家臣団、川中島、史料、勝頼期という異なる方向から理解を深められる作品を選びました。
今回紹介する7作品を比較してみました。
| 本・Audible | 価格・ページ数など | 難易度 | この作品ならではの役割 | 購入先 |
|---|---|---|---|---|
| ①『高坂弾正』 | ・455円〜 ・460ページ ・Kindle版あり | やさしいから普通 | 昌信本人の生涯を長編小説で追う | |
| ②『甲陽軍鑑』 | ・1,650円 ・401ページ ・Kindle版あり | 普通からやや詳しい | 昌信と深く結びつく軍記を現代語訳付きで読む | |
| ③『武田二十四将 信玄を名将にした男たち』 | ・15円〜 ・256ページ | やさしい | ほかの武田家臣と比べて昌信の役割を見る | |
| ④『戦百景 川中島の戦い』 | ・814円 ・352ページ ・Kindle版あり | やさしい | 北信濃と海津城を合戦の物語から理解する | |
| ⑤『武田氏滅亡』 | ・1,870円〜 ・742ページ ・Kindleあり | 詳しい | 信玄死後の勝頼政権と昌信の晩年を深く読む | |
| ⑥『「甲陽軍鑑」の悲劇』 | ・2,640円 ・251ページ | やや詳しい | 『甲陽軍鑑』の史料評価と研究史を考える | |
| ⑦Audible『戦国武将伝 東日本編』
| ・再生時間8時間26分 ・Kindle版あり | やさしい | 信玄・謙信など昌信の周辺人物を耳から楽しむ |
①高坂昌信本人の生涯を物語で読むなら、『高坂弾正』がおすすめです!
高坂昌信を初めて学ぶ人に、最初の1冊としておすすめしたいのが近衛龍春『高坂弾正―謙信の前に立ちはだかった凛々しき智将』です。
慎重な采配と退却戦によって「逃げ弾正」の異名を取った高坂弾正が、信玄に見いだされ、政治と軍事の両面で力を発揮していく生涯を描いた作品となっています。
この本の一番の魅力は、高坂昌信を武田二十四将の一人として数ページ読むのではなく、主人公として長い時間をかけて追えるところです。
出世、信玄との関係、北信濃、上杉勢との緊張、勝頼の時代まで、一人の人生として読み進められます。
高坂昌信は、山県昌景のような猛将の印象とも、山本勘助のような軍師像とも少し違います。
敵と接する海津城を守り、必要なら戦い、戦う必要がなければ無理をしないという役割を見ることで、「強い武将=積極的に攻め続ける人」というイメージから離れられます。
私は、この慎重さが高坂昌信を学ぶ大きな価値だと思います。
仕事でも人生でも、前へ進む判断ばかりが評価されやすいですが、危険な場面で引くことや、今は動かないと決めることも重要です。
昌信の「逃げ弾正」という異名は、そうした判断力を考えるきっかけになります。
一方、本書は歴史小説です。
信玄と昌信の会話や人物の心情、合戦場面には作者の創作が含まれるため、この一冊ですべてを史実だと考えず、次に歴史書や『甲陽軍鑑』へ進む読み方がおすすめです。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 高坂昌信を初めて学ぶ人 | 主人公として生涯の流れを追える |
| 歴史小説が好きな人 | 460ページで昌信をじっくり読める |
| 信玄との関係に興味がある人 | 若いころから重臣となるまでの関係を物語で楽しめる |
| 海津城や川中島に興味がある人 | 北信濃を守る昌信の役割を想像しやすい |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 史料で確認できる事実だけを知りたい人 | 歴史小説なので創作部分があります |
| 短時間で読み終えたい人 | 460ページの長編です |
| 『甲陽軍鑑』そのものを読みたい人 | 佐藤正英校訂・訳の『甲陽軍鑑』へ進むほうが向いています |
高坂昌信についてほとんど知らない状態なら、まずこの小説で「どの時代に、どこで、誰に仕えた人物なのか」をつかむと、その後の歴史書が読みやすくなります。
②高坂昌信と深く結びつく史料を読むなら、『甲陽軍鑑』がおすすめです!
高坂昌信を学ぶなら、一度は読んでおきたいのが佐藤正英校訂・訳『甲陽軍鑑』です。
全二十巻五十九品に及ぶ『甲陽軍鑑』から、山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など主要な十四品を収録しています。
原文だけではなく現代語訳も付いているため、古典の全文をそのまま読むより初心者でも内容を確認しやすいです。
高坂昌信の記事で『甲陽軍鑑』を外せない理由は、昌信が本の内容と深く結びついているからです。
国立国会図書館でも、この版の著者表示は「高坂昌信筆録、小幡景憲補訂・編纂、佐藤正英校訂・訳」とされています。
収録項目には「春日源五郎奉公の故に立身の事」もあり、昌信自身の出世に関係する物語を読むことができます。
後世の高坂昌信像がどこから生まれたのか知りたい人には、現代の解説書だけでなく、そのもとになった軍記へ戻ってみる意味があります。
ここで重要なのは、『甲陽軍鑑』に書かれている内容をすべてそのまま確定した史実と考えないことです。
成立過程が複雑で、後世の編集も加わっているため、個々の記述はほかの史料や研究と比べながら読む必要があります。
それでも読む価値があるのは、事実確認だけが歴史資料の役割ではないからです。
武田家の人々が後世にどのような武将像として伝えられたのか、信玄や家臣の理想像がどのように形づくられたのかを見る資料としても面白さがあります。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 高坂昌信を一歩深く学びたい人 | 昌信と深く関係する軍記を実際に読める |
| 信玄や武田家臣団にも興味がある人 | 武田家の人物や軍法を幅広く読める |
| 古典史料に挑戦したい人 | 原文と現代語訳を比べながら読める |
| 有名な逸話の出典を知りたい人 | 後世の武田像につながる記述を確認できる |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 昌信の生涯を最初から順番に読みたい人 | 人物評伝ではありません |
| 気軽な歴史小説を読みたい人 | 軍記・兵書を読む本です |
| 史実と伝承の違いをまだ整理できていない人 | 最初に『高坂弾正』や武田家臣団の本を読むと理解しやすくなります |
一冊目より、二冊目以降におすすめしたい本です。
高坂昌信についてある程度知ってから読むと、「この有名な昌信像はここから広まったのか」と気づける場面が増えていきます。
③武田家臣団の中で高坂昌信を見るなら、『武田二十四将 信玄を名将にした男たち』がおすすめです!
高坂昌信だけを読むのではなく、山県昌景、馬場信春、真田幸隆、山本勘助などと比べてみたい人には、武光誠『武田二十四将―信玄を名将にした男たち』がおすすめです。
高坂昌信を含む武田二十四将の人生を通して、武田軍団の強さを考える本です。
昌信一人の伝記ではありませんが、武田家という組織の中で誰が何を担当していたのかを知るのに向いています。
高坂昌信を単独で読んでいると、「なぜ昌信が特別だったのか」がかえって見えにくい場合があります。
山県昌景のように前線で強い印象を残した武将、馬場信春のように多くの合戦で知られる宿将、真田幸隆のように信濃攻略で重要な働きをした武将と並べることで、昌信の特徴が見えやすくなります。
昌信の場合、特に注目したいのは北信濃の海津城を長く任されたことです。
武田氏の領国が広がれば、信玄本人がすべての場所へ常駐することはできません。
重要地域を任せられる家臣がいること自体が、武田家の強さにつながります。
私は、武田二十四将の記事や本を読むとき、「誰が一番強かったのか」だけを比べないほうが面白いと思います。
会社でも同じ仕事をする人だけを集めても組織は動きません。
前線で戦う人、地域を守る人、外交する人、情報を集める人がいて初めて大きな組織になります。
高坂昌信は、その中で「主君から離れた重要拠点を任せられる家臣」という役割を見ると個性がはっきりします。
信玄との近さだけでなく、信玄がいない場所で働いた時間にも注目すると人物像が広がるでしょう。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 武田家臣団が好きな人 | 昌信以外の主要家臣もまとめて知れる |
| 昌信の特徴を比較して知りたい人 | 山県昌景や馬場信春などとの違いを考えられる |
| 安く読みやすい本を探している人 | 628円、301ページの文庫です |
| 武田軍団の組織に興味がある人 | 信玄一人ではなく家臣の力から武田氏を見られる |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 昌信だけを一冊読みたい人 | 二十四将を紹介する本です |
| 海津城の歴史を詳しく知りたい人 | 川中島や地域史の本も必要です |
| 最新研究を細かく確認したい人 | 入門向けの武将解説として読むほうが合います |
一人の英雄としてではなく、武田家を支えた複数の人材の中で昌信を考えたい人におすすめです。
ほかの武田家臣の記事へ進む前の一冊としても使いやすいでしょう。
④海津城と川中島での役割を物語から知るなら、『戦百景 川中島の戦い』がおすすめです!
高坂昌信を学ぶとき、北信濃という土地を外すことはできません。
海津城や川中島の戦いを物語で理解したい人には、矢野隆『戦百景 川中島の戦い』がおすすめです。
武田信玄の信濃進出から北信濃の村上義清、上杉謙信との対立、永禄4年(1561年)の激戦へ進む歴史小説です。
高坂昌信だけを主人公にした作品ではありませんが、昌信がなぜ海津城を任されていたのかを理解するには、川中島をめぐる大きな流れを知ることが重要です。
高坂昌信について「海津城代だった」と一文で覚えても、その重要性はなかなか伝わりません。
海津城は上杉勢が南下してくる北信濃の最前線にあり、川中島一帯を押さえるうえで重要な拠点でした。
長野市では、昌信が川中島合戦後も海津城将として北信濃統治を任された人物と説明しています。
合戦の日だけ活躍する武将ではなく、戦いが起きていない期間もその地域を守り続けた人物だったことがわかります。
ここを見ると、高坂昌信の慎重さも理解しやすくなります。
最前線の城代は、一度の大勝負で名を上げることより、敵の動きを読み、城と地域を失わないことが重要です。
戦わずに済む場面では戦わない判断も、城を預かる人物には必要だったのでしょう。
なお、川中島の戦いには軍記や後世の伝承から広まった有名な場面も多くあります。
歴史小説として楽しんだあと、長野市の史跡解説や研究書で確認することで、物語と史実を分けながら楽しめます。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 川中島の戦いが好きな人 | 信玄と謙信が対立する流れを物語で読める |
| 海津城の重要性を知りたい人 | 北信濃をめぐる争いから城の役割を理解しやすい |
| 合戦を歴史小説で楽しみたい人 | 戦場の動きを物語として読み進められる |
| 上杉謙信側にも興味がある人 | 武田側だけでなく対立する側も含めて読める |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 高坂昌信だけを読みたい人 | 川中島の戦い全体が中心です |
| 史料だけで合戦を確認したい人 | 歴史小説なので創作表現があります |
| 勝頼時代の昌信を知りたい人 | 『武田氏滅亡』のほうが目的に合います |
高坂昌信の人生を「信玄のそばにいた家臣」だけで考えないために役立つ一冊です。
北信濃へ視点を移すと、昌信に任された仕事の大きさがわかりやすくなります。
⑤信玄死後の高坂昌信と勝頼の時代を知るなら、『武田氏滅亡』がおすすめです!
高坂昌信を信玄の家臣としてだけで終わらせず、武田勝頼に仕えた晩年まで知りたい人には、平山優『武田氏滅亡』がおすすめです。
本書は長篠合戦後の武田勝頼を中心に、織田・徳川との戦い、北条氏との関係、上杉謙信死後の御館の乱などを詳しく追っています。
高坂昌信本人の評伝ではありませんが、昌信の晩年を理解するには、信玄死後の武田家が何を目指していたのかを知る必要があります。
高坂昌信の記事では、信玄との主従関係が目立ちやすいため、信玄が亡くなったところで昌信の役割まで終わったように感じることがあります。
実際には昌信は勝頼にも仕え、晩年には上杉景勝と勝頼の同盟実現に力を尽くしました。
ここで重要なのは、昌信を「信玄の古い家臣だから勝頼と対立した人物」と単純化しないことです。
信玄時代からの宿老が、代替わりしたあとに新しい当主とどう働いたのかを見ることで、武田家の継承という問題が見えてきます。
長篠合戦では馬場信春や山県昌景など多くの重臣が亡くなりました。
そこから先の武田家を見ると、生き残った経験豊富な家臣がどれほど重要だったのかも想像できます。
昌信の晩年は、華やかな川中島とは違い、変化する外交関係の中で武田家を支える時期でした。
私は、年齢を重ねてから高坂昌信を読むなら、この時期に特に注目したいと思います。
若い頃の出世よりも、長く仕えた主君が亡くなり、次の世代のもとで自分の経験をどう使うのかという問題は、現代にも通じる部分があるからです。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 武田勝頼にも興味がある人 | 勝頼政権を史料から詳しく学べる |
| 昌信の晩年を知りたい人 | 御館の乱前後の武田外交を理解できる |
| 長篠後の武田家を知りたい人 | 信玄死後の武田氏を長い流れで読める |
| 研究に近い歴史書を読みたい人 | 史料をもとに従来の勝頼像を検討している |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 高坂昌信を初めて学ぶ人 | 752ページあり、勝頼が中心です |
| 川中島を中心に読みたい人 | 信玄死後が重要な範囲になります |
| 気軽な歴史小説を読みたい人 | 史料を使った詳しい歴史研究書です |
高坂昌信の本を何冊か読んだあとに選ぶと、人物の後半生が大きく広がります。
「信玄の名臣」から「代替わり後も武田家を支えた宿老」へ見方を進めたい人におすすめです。
⑥『甲陽軍鑑』をどのように読めばよいか考えるなら、『「甲陽軍鑑」の悲劇』がおすすめです!
『甲陽軍鑑』を読んで、「どこまで史実として読んでよいのだろう」と疑問を持った人には、浅野裕一・浅野史拡『「甲陽軍鑑」の悲劇―闇に葬られた信玄の兵書』がおすすめです。
『甲陽軍鑑』の兵学思想と、同書が近代以降どのように評価されてきたのかを検討しています。
長く偽書説の影響を受けてきた『甲陽軍鑑』の研究史をたどりながら、その史料的な意味を問い直す本です。
高坂昌信を学ぶと、どうしても『甲陽軍鑑』に書かれた話へたどり着きます。
そこで「軍記だから全部信用できない」と切り捨てるか、「昌信が書いたから全部本当だ」と考えるかの二択にしてしまうと、歴史資料を読む面白さが減ってしまいます。
史料には、いつ成立したのか、誰が書いたのか、後から何が加わったのか、他の同時代史料と一致するのかという複数の確認点があります。
この本は、『甲陽軍鑑』そのものの内容を覚えるというより、史料をどう評価するのかを考えるために役立ちます。
高坂昌信の人物像にも同じことが言えます。
「逃げ弾正」「信玄との特別な関係」「勝頼への忠告」など、よく知られた話ほど出典を意識すると、どこまで確認できるのかを自分で考えられるようになります。
初心者が最初からこの研究史へ進む必要はありません。
小説、家臣団の本、『甲陽軍鑑』そのものを読んだあとに選ぶことで、「今まで読んできた昌信像は何をもとにしていたのか」という新しい疑問が生まれます。
この本が向いている人を、簡単にまとめてみました。
| この本が向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 『甲陽軍鑑』を一度読んだ人 | 史料評価まで一歩深く考えられる |
| 高坂昌信の逸話を検討したい人 | 後世の人物像が生まれた背景を考えやすい |
| 歴史研究の方法に興味がある人 | 一つの史料をどう評価するか学べる |
| 軍記と史実の違いを意識したい人 | 単純な真偽ではなく成立と研究史から考えられる |
逆に、この本が向いていない人を簡単にまとめてみました。
| この本が向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 昌信の生涯を最初に知りたい人 | 人物評伝ではありません |
| 川中島の合戦を楽しみたい人 | 研究史と兵学思想が中心です |
| 気軽に一冊読みたい人 | 『甲陽軍鑑』についてある程度知ってからのほうが理解しやすいです |
高坂昌信を「有名な逸話が多い武将」から「史料を通して人物像が作られてきた武将」へ一段深く考えられる本です。
歴史を暗記ではなく、自分で確かめながら学びたい人に向いています。
⑦信玄・謙信など昌信を取り巻く武将を音声で楽しむなら、Audible『戦国武将伝 東日本編』がおすすめです!

通勤・家事のスキマ時間にも武田家や川中島の時代へ触れたい人には、今村翔吾『戦国武将伝 東日本編』のAudible版がおすすめです。
このAudibleには、高坂昌信本人を主人公にした作品は収録されていません。
山梨県の「暮天の正将」では武田信玄、新潟県の「蒼天の代将」では上杉謙信、長野県の「真田の夢」では真田信幸など、東日本23人の武将が描かれています。
高坂昌信の記事でこの作品をおすすめする理由は、昌信本人を詳しく説明するためではありません。
信玄と謙信という、昌信の人生を考えるうえで重要な二人を別々の物語で聴き、武田側だけに偏らず時代背景を広げるためです。
高坂昌信の本を読んでいると、上杉謙信はどうしても「海津城の向こう側にいる敵」として見えやすくなります。
謙信を主人公にした物語も聴くことで、北信濃をめぐる争いには上杉側にも目的や事情があったことを意識できます。
Audibleは人物関係を最初に覚える方法として使うより、一冊本を読んだあとに使うのがおすすめです。
紙の本で高坂昌信、海津城、川中島を確認してから音声作品を聴けば、信玄や謙信の名前が出たときにも関係を思い出しやすくなります。
このAudibleが向いている人を、簡単にまとめてみました。
| このAudibleが向いている人 | 理由 |
|---|---|
| 通勤・家事中にも戦国史を楽しみたい人 | 8時間26分の作品を少しずつ聴ける |
| 武田信玄が好きな人 | 信玄を主人公にした「暮天の正将」が収録されている |
| 上杉謙信側からも見たい人 | 「蒼天の代将」で謙信の物語も楽しめる |
| 昌信の周辺人物へ広げたい人 | 東日本の戦国武将をまとめて聴ける |
逆に、このAudibleが向いていない人を簡単にまとめてみました。
| このAudibleが向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 高坂昌信本人の音声作品を探している人 | 昌信本人を主人公にした掌編はありません |
| 史実だけを体系的に整理したい人 | 歴史小説の音声作品です |
| 海津城や川中島の地理を確認したい人 | 紙の本や現地資料と組み合わせるほうが向いています |
高坂昌信本人の本を一冊読んだあと、信玄・謙信へ視野を広げるための関連作品として使うのがおすすめです。
音声と紙の本で役割を分ければ、同じ説明を繰り返すのではなく、違う方向から理解を深められます。
初心者におすすめの読む順番はこれ!

高坂昌信を初めて学ぶなら、最初から『甲陽軍鑑』の史料研究へ進むより、まず昌信本人の人生と武田家臣団の関係を整理したほうが理解しやすくなります。
そのあと川中島、軍記、勝頼期へ進めば、同じ人物を違う立場から見ることができます。
私がおすすめする読む順番は、次の通りです。
この表では作品の優劣ではなく、それぞれの段階で何に注目すると理解が深まるのかをまとめています。
| 順番 | 本・Audible | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 『高坂弾正』 | 昌信本人の生涯と主要人物の関係をつかむ |
| ② | 『武田二十四将』 | 武田家臣団の中で昌信の役割を比較する |
| ③ | 『戦百景 川中島の戦い』 | 海津城が置かれた北信濃の状況を物語で理解する |
| ④ | Audible『戦国武将伝 東日本編』 | 信玄と謙信を別々の視点から耳で楽しむ |
| ⑤ | 『甲陽軍鑑』 | 昌信と結びつく軍記を実際に読んでみる |
| ⑥ | 『武田氏滅亡』 | 勝頼期へ進み、昌信の晩年を歴史の流れから考える |
| ⑦ | 『「甲陽軍鑑」の悲劇』 | これまで読んだ昌信像を史料研究から見直す |
最初の『高坂弾正』では、細かな年号を全部覚える必要はありません。
「信玄に仕える」「北信濃を任される」「上杉勢と向き合う」「勝頼にも仕える」という人生の大きな流れがわかれば十分です。
二冊目の『武田二十四将』では、昌信一人から武田家臣団全体へ視野を広げます。
ここで山県昌景や馬場信春などとの違いを知っておけば、その後の本でも「昌信にはどんな役割が期待されていたのか」を意識できます。
次に川中島へ進むことで、海津城代という肩書きが実際の土地と結びつきます。
そのあと『甲陽軍鑑』を読むと、最初に読んだ歴史小説や武将解説のどの部分が軍記と関係しているのか気づきやすくなります。
さらに『武田氏滅亡』で信玄死後へ進み、最後に『「甲陽軍鑑」の悲劇』で史料そのものを考える。
この順番なら、「高坂昌信はどんな武将だったのか」を覚えるだけで終わらず、「私たちは何をもとに高坂昌信を知っているのか」というところまで進めます。
「紙の本」「Kindle」「Audible」はどれを選べばよいか…?

高坂昌信を学ぶ方法は、紙の本だけではありません。
Kindle(電子書籍)やAudibleを組み合わせると、長編小説、研究書、音声作品を生活に合わせて使い分けられます。
| 形式 | 向いている人 | 高坂昌信を学ぶときの使い方 |
|---|---|---|
| 紙の本 | 人物名・地名・史料を行き来しながら読みたい人 | 海津城、川中島、甲斐、越後の位置や家臣団を確認しながら読む |
| Kindle(電子書籍) | 長編を通勤中にも読みたい人 | 『高坂弾正』『戦百景 川中島の戦い』『武田氏滅亡』など対応作品を持ち歩く |
| Audible | 読む時間を確保しにくい人 | 信玄・謙信など昌信の周辺人物をスキマ時間に楽しむ |
高坂昌信の場合、紙の本は『甲陽軍鑑』や研究書との相性が良いと思います。
昌信、信玄、勝頼、山県昌景、馬場信春、上杉謙信など多くの人物が登場するうえ、甲斐と北信濃、越後の位置関係も確認したくなるからです。
特に『甲陽軍鑑』は、読み進める本というより、気になった項目へ戻って確認する使い方もできます。
『武田氏滅亡』もページ数が多いため、付箋を使いながら必要な時期へ戻りたい人は紙の本が使いやすいでしょう。
一方、『高坂弾正』のような長編歴史小説はKindleと相性が良いです。
通勤時間に少しずつ読み、休日には史跡や紙の歴史書で内容を確認するという使い分けもできます。
Audibleでは高坂昌信本人の作品に限定せず、信玄や謙信など関係人物を補う方法がおすすめです。
昌信の人生を本で理解しておけば、音声で信玄や謙信の物語を聴いたときにも、「この時期に昌信は海津城で何をしていたのだろう」と別の人物へつなげて考えられます。
紙で史料を確認する、Kindleで長編を読む、Audibleで周辺人物へ広げる。
それぞれの媒体に違う役割を持たせると、同じ内容を何度も読むより効率よく理解を深められます。
大河ドラマ・海津城・川中島古戦場・明徳寺とあわせて高坂昌信を学ぶ価値とは
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高坂昌信は、本を読んだあとに北信濃の史跡を訪れると人物像が大きく変わります。
甲斐の武田家臣という印象が強い人物ですが、人生の重要な期間を過ごした場所は現在の長野市周辺です。
映像作品では、2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』に春日源五郎として登場し、田中幸太朗さんが演じました。
1988年の大河ドラマ『武田信玄』では村上弘明さんが高坂弾正を演じており、武田家を描く映像作品でもたびたび登場する人物です。
大河ドラマでは人物同士の会話や感情が描かれるため、高坂昌信に興味を持つきっかけとして楽しめます。
映像で見たあとに本や自治体資料へ進み、史実として確認できる部分とドラマとして作られた場面を分けて読むのがおすすめです。
史跡で最初に見ておきたいのが、現在の松代城につながる海津城です。
高坂昌信はこの城の城代として北信濃を守り、長野市では「川中島合戦後も海津城将として北信濃統治を任された智将」と紹介されています。
海津城の位置を実際に見ると、昌信の仕事は「川中島の一回の戦いに参加すること」だけではなかったと実感できます。
敵対する上杉勢がいる越後方面を意識しながら、長期間この地域を守ることそのものが重要な任務でした。
次に訪れたいのが川中島古戦場史跡公園です。
永禄4年(1561年)の第四次川中島の戦いで武田信玄が八幡原に本陣を置いたとされ、その後、信玄が高坂昌信に八幡社の再建を命じたという伝承があります。
ここでは、「信玄と謙信が一騎打ちした場所」という有名なイメージだけを見るのではなく、近くに海津城があり、昌信がこの地域を守っていたことまで考えてみると面白いでしょう。
大将二人の対決の裏には、城を維持し、兵を集め、地域を守る家臣たちの日常がありました。
さらに、高坂昌信本人を感じたいなら長野市松代町の明徳寺があります。
昌信は天正6年(1578年)に海津城で病没し、遺命によって明徳寺へ葬られたと伝わります。
寺には昌信の墓のほか、『高坂弾正忠昌信伝記』や使用したと伝わる槍など、関係する資料も残されています。
海津城では「任された仕事」を見る。
川中島では「敵と向き合った場所」を見る。
明徳寺では「一人の人間として人生を終えた場所」を見る。
この三つを本と組み合わせると、高坂昌信の人生を武田四名臣という肩書きだけではなく、北信濃で長く生きた人物として感じられます。
高坂昌信を学んだあとに山県昌景、馬場信春、武田信繁、武田勝頼などへ進むと、武田家臣団を見る視点も変わります。
誰が一番強かったかではなく、「信玄は誰にどの地域や仕事を任せたのか」と考えることで、武田氏が大きな領国を維持できた理由も見えてくるでしょう。
高坂昌信の本選びで迷ったら、まずこの1冊!

高坂昌信の本選びで迷ったら、最初の1冊は近衛龍春『高坂弾正』がおすすめです。
高坂昌信本人が主人公で、若いころから武田家の重臣となるまでを長い流れで読めるため、人物名や主要な出来事を最初に整理できます。
最初から『甲陽軍鑑』を読む方法もありますが、武田家の人物関係をまだ知らない段階では、誰の話を読んでいるのかわかりにくくなる可能性があります。
先に昌信の人生を知ってから『甲陽軍鑑』へ進めば、昌信に関係する記述を探す楽しみも増えます。
小説より史実寄りの本から始めたい人は、『武田二十四将』を先に読む方法もあります。
昌信の説明量は『高坂弾正』より少なくなりますが、山県昌景や馬場信春などと比較しながら武田家臣団を整理できます。
川中島に一番興味がある人なら、『戦百景 川中島の戦い』から始めてもよいでしょう。
その場合も、読後に長野市の海津城や高坂昌信の解説を確認すると、歴史小説の場面と実際の人物・土地を分けて理解できます。
『武田氏滅亡』や『「甲陽軍鑑」の悲劇』は、最初の一冊よりも次の段階に向いています。
昌信について疑問が生まれてから読むほうが、研究書や史料研究の内容を生かせます。
まず『高坂弾正』で一人の武将として昌信を知り、そのあと「家臣団」「川中島」「『甲陽軍鑑』」「勝頼期」のどこが一番気になったかで次の本を選んでみてください。
【まとめ】高坂昌信を初心者が学ぶなら、川中島だけでなく「北信濃を任された理由」まで読みましょう!

高坂昌信を初心者が学ぶなら、「武田四名臣の一人」「逃げ弾正」「川中島で活躍した武将」という有名な言葉だけで終わらせないことが大切です。
高坂昌信の面白さは、武田信玄のそばで出世したあと、主君から離れた北信濃の重要拠点を長く任されたところにあります。
海津城代として必要だったのは、勇敢に突撃する力だけではありません。
敵の情報を集め、状況を判断し、戦うべき場面と避けるべき場面を見極め、武田氏の支配地域を維持する力も求められました。
「逃げ弾正」という異名も、その慎重な人物像とあわせて読むと印象が変わります。
また、高坂昌信は信玄の死後も武田家に残りました。
勝頼の時代まで追うと、若い頃に主君から評価された武将が、経験を積んだ宿老となり、次の世代を支える側へ変わっていく姿が見えてきます。
私は、高坂昌信を読む価値は「勝つ判断」だけではなく「失わない判断」を考えられるところにもあると思います。
大きな成果を狙うことだけが優れた判断ではありません。
自分が預かった場所や人を守り、必要のない損害を避けることも、責任を持つ立場には大切です。
さらに『甲陽軍鑑』へ進むと、高坂昌信は歴史上の人物であると同時に、武田信玄や甲州武士の記憶を後世へ伝える存在としても見えてきます。
そこから史料研究へ進めば、「高坂昌信はどんな人物だったか」だけでなく、「なぜ私たちはそのような人物だと思っているのか」まで考えられるようになります。
まずは『高坂弾正』で人生の流れをつかみ、『武田二十四将』で家臣団の中の位置を確認し、興味に応じて川中島や『甲陽軍鑑』、勝頼の時代へ進んでみてください。
海津城や明徳寺を訪れる頃には、「武田四名臣」という短い肩書きだけでは見えなかった高坂昌信の役割が、かなり具体的に感じられるはずです。
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